ウソのような本当の話 4

  • 2008/08/19(火) 23:50:02

朝から大学の図書館へ行き、家に帰ってきたのは夜の8時ごろ。アパートの敷地内に入ると、駐車場に警察の車がライトを消して止まっていました。1階の俺の部屋の目の前です。車内には2人の警察官。バイクにカギをかけながら車の中の2人を見ていましたが、特に何をするわけでもなく、何かを待っているかのようでした。さてはここの住人が何かやらかして、帰宅を待って逮捕でもするのかな?ひょっとして俺か?何も悪いことはしてないけど、気になったのでちょっと聞いてみることにしました。

運転席側の窓ガラスをノックすると、中の警察官が窓を開けてくれました。
 俺、ここに住んでるんだけど、何か関係ありますか?
 いや、君は関係ないよ。
やれやれ、一安心です。家に入って晩飯の仕度を始めたのでした。

テキトーな晩飯がテーブルに並んで食べ始めたころ、外がなんだか騒がしくなってきました。玄関のドアののぞき穴から外を見てみると、警察官が3人くらいで、階段を上っていくところでした。犯人は2階か?3階か?気になるけど俺は関係ないんだし、邪魔しないように家の中で静かにしてよう、と思って晩メシに戻ったのでした。

でも食べてる間、外はずーっと騒がしいまま。耳をすましてみると、たくさんの人が何度も何度も階段を上ったり降りたりしているようです。気にしないようにずーっと我慢してたけど、なんだかちょっと不安になってきたので、外に出て警察官に何が起きてるのかを直接聞いてみることにしました。同じアパートの住人なんだから何が起きてるのかを知る権利くらいあるでしょ、たぶん。

もう一度ドアののぞき穴をのぞいてみると、警察官がウチの玄関ドアの目の前に見えました。ドアを開けて外に出てみると、3人くらいの警察官が青いビニールシートで包まれた何かを上の階から運び出しているところでした。運んでいる先に目をやると、いつ来たのか、ライトを消した救急車が静かに止まっていました。その様子を見つめていると、さっき車の窓越しに話した警察官が近づいてきたので、何が起きたのか聞いてみました。

3階の部屋で男性の死体がみつかったそうです。死後3週間くらい経っていて、遺体はかなり腐敗しているとのこと。遺体が見つかった3階の部屋は臭いが酷いから、早く部屋に戻ってドアを閉めたほうがいい、とアドバイスしてくれました。俺は言葉を失い、Thanks とだけ言って部屋に戻ったのでした。

1人暮らしで1人で死んで3週間も経ってから警察官に発見されるなんて・・・なんて寂しいんでしょう。同じアパートとはいえ、他の部屋に住んでる人は滅多に見ないからどの人かも分からないけど、やすらかに眠って下さい。日本式だけど、合掌です。